テキスタイルデザインとは

皆さんの身の回りには様々な布製品が溢れています。

外出する時には衣服を身に纏うだけでなくネクタイを巻き、寒い日にはマフラー、コーディネートにワンポイントを加えたければスカーフを身に着けます。部屋にはカーテンがありプライベートを守ってくれて、カーペットは寒い部屋を暖めてくれます。シャワーを浴びた後はタオルで体を拭き、寝る時にはパジャマを着て布団にくるまれて寝ます。

これらは全て布で作った製品であり、そこには専門のテキスタイルデザイナーが関わっています。今回はこのテキスタイルについて詳しくご紹介します。

テキスタイルって何?

テキスタイル(Textile)とは和訳すると織物や織り方という意味があります。
織物とは2本以上の糸が交差することで生まれる生地のことを指します。

織物には様々な織り方があり、平織り(ひらおり)・綾織(あやおり)・朱子織(しゅすおり)といった基本的な織り方があります。これら3種類の織り方を三原組織(さんげんそしき)と呼び、織生地の大半はこの織り方で織られています。この織り方には様々な特性があり、使われる製品や生地の風合いによって織られ方が異なります。この織物の織り方を考え、織物を制作する仕事をテキスタイルデザイナーと呼びます。

テキスタイルデザイナーが考えた生地を織工場に発注します。この発注する段階で様々な専門知識が必要であるため、テキスタイルデザイナーは糸の知識、織り方の特性、その生地を使って製品にした時のイメージを熟知していなければできません。

日本のテキスタイルデザイナー

ヨーロッパでは、布の柄を考え制作する人はサーフェイスデザイナー(Surface designer)と呼ばれます。糸のことを考えデザインする仕事はヤーンデザイナー(Yarn designer)と呼ばれて区別されていますが、日本ではこれら生地に携わる仕事は全てテキスタイルデザイナーと呼ばれることが多いです。

企業で色や柄の方向性をテキスタイルデザイナーが考えて、柄を描く仕事を専門にしているデザイナーに発注します。柄を専門に描く仕事は業界では図案屋と呼ばれていますが、この方たちもテキスタイルデザイナーです。

テキスタイルデザイナーがテキスタイルデザイナーに仕事を依頼するといった一風変わった現象が起きています。日本では明確な区切りはなく生地に関わる仕事やデザインする方達をテキスタイルデザイナーと呼ぶことが多 いです。

布帛とジャージー生地のこと

布帛(ふはく)

ジャージー

糸を平面状やシート状にする作業は織物の他にニット(knitting)やフェルト(felt)といった制作工程があります。

ニットは1本の糸を輪な状にして繋げていくことで生地を作ります。織物に比べて伸縮性があり着やすくて着脱しやすいのが特徴です。伸縮性がある生地のためTシャツや下着、靴下といった肌に近い場所の製品に使われることが多い生地です。編み物とも呼ばれます。

フェルトは糸になる前の繊維を絡ませて作られる生地です。私は和紙を作る作業に似ていると感じます。和紙は楮の木を砕き、バラバラの細かい紐状にします。この紐同士を紙漉き機の中で揺すり絡ませることで和紙が完成します。この作り方と同じで糸になる前の繊維を絡ませて圧力をかけることで1枚の生地が完成します。織生地でも編生地でもない生地は見た目も面白くぬいぐるみや鞄、雑貨製品に使われることが多い生地です。

企業では織生地のことを【布帛(ふはく)】と呼び、編生地のことを【ニット】や【ジャージー】といって区別しています。布帛という言葉の意味ですが、布は綿や麻で織った織物、帛は絹で織られた織物で同じ織生地でも区別をしていましたが、現在では織生地の事をまとめて布帛と呼ばれています。

テキスタイルデザイナーの業界

テキスタイルデザイナーの仕事は生地に関する、組成や色、柄を考えるのが主な仕事です。その他に配色といって1つの柄に対して色のバリエーションを考える仕事もあります。また業種によっても仕事内容が異なります。

アパレル業界

年2回の展示会を目安に仕事を運営していきます。春夏や秋冬といった大きく分けて2回の展示会を行い、テキスタイルデザイナーはここで使う生地や柄、配色を考えます。

この展示会で新シーズンの新作を披露してバイヤーや取引先を招待して受注を受けたり、配色や衣服の形を見直したりします。

インテリア業界

年1回の展示会を行います。アパレルとの違いとしてカーテンやカーペットには防炎加工や難燃加工といった特殊な加工を製品に施します。これは火災が起きた際に、燃えにくく消火の手助けをするために施す加工方法で、私たちの安全を保ってくれています。

インテリアに欠かせない壁紙は4年に1回の展示会を行います。これはあくまで一般的なブランドの展示会数であり、ブランドによってはシーズンを細分化して複数回の展示会を行うブランドもあります。

スポーツ衣料業界

水着やサッカー・野球をする際のユニフォーム、登山をする際に着用する登山服といった、運動をする時に身に着ける衣服です。身に着けたときに動きやすくするために伸縮性を考えたり、汗を吸収して乾燥させる速乾性や激しい運動や摩擦に耐えるための耐久性などが必要になります。テキスタイルデザイナーは生地の特性や配色を考えます。スポーツ衣料の配色は市場の流行とは違い視認性や心理的効果を狙った色が多く使われます。

テキスタイルデザイナーの仕事内容

ファッションデザイナー

1枚の衣服を作るのに最低でも3人のデザイナーが必要といわれています。1人はファッションデザイナーです。このファッションデザイナーがブランドを代表する顔であることが多く、ファッションショーでも最後に登場して挨拶をしているのはファッションデザイナーと呼ばれる職種の方たちです。ファッションデザイナーが行う仕事は、そのブランドの方向性やイメージ、顧客や嗜好と流行を考えてここに自分の考えをプラスしていきます。自分の頭の中を具現化するのはとても困難な作業です。さらに頭の中を人に伝えて共有しないと複数人で仕事ができません。そのためにデザイナーは数々の写真や雑貨、衣服などヒントとなるものと言葉で一緒に仕事をするデザイナーに伝えていきます。

パタンナー

パタンナーは衣服の設計をするデザイナーです。衣服には体のラインを美しくみせるために様々な形があります。着用したときに美しくないと購入したくないですよね。この衣服をデザイナーの目指す方向性を加味しながら生地や色、柄の特性を考えて設計図を引き実際の生地を裁断してピンを打ちながら形を作っていきます。生地によっても表情が変化するのでそこを考えつつ衣服の形を作っていきます。

テキスタイルデザイナー

テキスタイルデザイナーは生地の色柄をつくるデザイナーです。少しグラフィックデザイナーにも近い印象がありますが、生地の柄は通常のグラフィックデザインとは全く異なる要素や特性を持っているためこれを理解した上で柄を制作する必要があります。

テキスタイルデザイナーの仕事は生地に関する、組成や色、柄を考えるのが主な仕事です。その他に配色といって1つの柄に対して色のバリエーションを考える仕事もあります。

また働いている業種によっても仕事内容が異なり、時にはテキスタイルデザイナーがテキスタイルデザイナーに仕事を依頼することもあります。その他にプリント技術には様々な特殊加工があり、柄を膨らませたり生地を溶かしたり、色を抜いたりすることでオリジナル性のある生地を制作することができます。その生地を使って制作された製品は美しく人目を引くことができます。社内で企画した色柄をプリント工場へ発注します。完成した生地は縫製工場に送り、衣服となって完成します。ここで完成した衣服は百貨店や路面店に並び、皆さんのクローゼットに収まります。