
小室真以人 先生 草木染授業レポート
2026年9月17日(木)・18日(金)の
2日間にわたり、小室真以人先生による
草木染授業が行われました。
毎年、学生たちが楽しみにしている本授業では、
自然の草木から生まれる豊かな色彩に触れながら、
染めの技法やものづくりの奥深さを学びます。
先生の丁寧なご指導のもと、学生たちは
一つひとつの工程に心を込めて取り組み、
それぞれの感性を生かした美しい染め布を
完成させました。
自然素材が生み出す優しい色合いと、
手仕事ならではの温もりに触れることで、
学生たちにとって創造する喜びや表現する
楽しさを実感できる、充実した学びの
時間となりました。
【小室真以人 先生 プロフィール】
東京藝術大学工芸染織 卒業
・2008年
ニットブランド「MAITO」をスタート
・2010年
株式会社マイトデザインワークス設立
台東区上野の2K520に直営店を出店
・2012年
台東区蔵前にアトリエショップを
オープン
・株式会社 工房夢細工 専務取締役
★DAY1
【講義】
授業は、まず草木染についての
講義から始まります。
草木染の歴史や、なぜ植物の色が
布に染まるのかという染色の基本的な
仕組みについて、さらに草木染の
さまざまな種類や特徴についても、
小室先生が丁寧にわかりやすく
解説してくださいました。
学生たちは、普段何気なく目にしている
植物が持つ色の魅力や、自然の恵みを
生かした染色技法の奥深さに触れ、
これから始まる実習への期待を
膨らませながら熱心に耳を傾けていました。

【草木の煮出し】
次の工程では、草木の
煮出しを行います。
今回は11種類の草木を使って
染色に取り組みました。必要な
分量の草木をお湯の中に入れ、
時間をかけてゆっくりと
煮込むことで、染色のもととなる
大切な染液を作ります。
煮出しの時間が進むにつれて、
草木から少しずつ色が引き出され、
自然の力が感じられる瞬間です。
また、教室には漢方薬にも似た
穏やかで心落ち着く香りが広がり、
学生たちは五感で草木染の魅力を
感じながら作業を進めていました。




【生地の準備】
染色を行う前に、生地が美しく
染まるための大切な下準備を行います。
この工程を丁寧に行うかどうかで、
染め上がりの色合いや仕上がりに
大きな違いが生まれます。美しい色を
引き出すためには、一つひとつの準備を
大切にすることが欠かせません。
学生たちは、小室先生から教わった
ポイントを意識しながら、互いに
協力し合い、心を込めて作業に
取り組みました。
完成した作品を思い描きながら、
真剣な表情で丁寧に工程を進めていました。





「自分の作品に使う縄を
きれいに染めたい!」
という思いから、縄の下準備にも
丁寧に取り組みました。
この工程は、生地や被染物に
付着している余分な汚れを落とし、
草木の色がしっかりと染み込むように
するための大切な作業です。
長い縄を扱う様子は、まるでラーメンや
お蕎麦を調理しているようにも見え、
思わず笑顔になる場面もありました。
楽しみながらも、より美しい作品に
仕上げるため、一つひとつの工程を
大切に進めていました。
【草木染め】
いよいよ、草木染の染色工程に
入ります。
これまで丁寧に準備してきた染液に
生地や素材を浸し、草木が持つ自然の
色を布へと移していきます。
作業はみんなで協力しながら、役割を
分担して進めます。染まり具合を
確認しながら、声を掛け合い、
一つひとつの工程に真剣に向き合う
学生たちの姿が見られました。
自然の色が少しずつ生地に現れていく
様子に、完成への期待が高まる、
心躍る時間となりました。



【完成】
今回の草木染では、11種類の草木を
使用し、さらに2種類の媒染方法を
組み合わせて染色を行いました。
使用した生地は綿とシルクの2種類。
それぞれの素材による染まり方の
違いも感じながら、合計44種類もの
美しい染色生地が完成しました。
同じ草木から生まれる色でも、
素材や媒染方法によって表情が
変わることを学び、草木染の
奥深さを実感する時間となりました。
こうして充実した1日目の草木染授業を
終え、学生たちは完成した生地を眺めながら、
自然の色彩の魅力とものづくりの
楽しさを感じていました。





★DAY2
2日目は、学生たちがそれぞれ持ち寄った
生地や糸、製品を使った染色実習を行いました。
これまで学んできた草木染の知識と技法を
生かし、シャツやストール、ポーチ、糸など、
さまざまな素材を自分自身の手で染めて
いきます。
素材や形の違いによって染まり方や表情が
変化するため、学生たちは仕上がりを
想像しながら、楽しみながら作業に
取り組みました。
自分だけのオリジナル作品へと
生まれ変わっていく過程は、
草木染の魅力をより深く感じられる貴重な
学びの時間となりました。


染色は料理と一緒だと言われています
料理に心を込めるように、染色にも素材と
向き合う気持ちが大切です。
「きれいな色になりますように」
「しっかり染まりますように」と思いを
込めながら作業することで、より美しい
仕上がりにつながります。
また、生地を染液に入れたままにするだけでは、
均一で美しい染め上がりにはなりません。
染液の中で生地を丁寧に動かし続け、
色がしっかりと行き渡るように
手をかけることが大切です。
学生たちは、一枚一枚の生地に心を込めながら、
手仕事ならではの染色の奥深さを学んでいました。
【製品写真】
学生たちが持ち込んだ製品が、
草木の自然な色合いに染め上がりました。
草木染で仕上げたシャツやストールは、
一つとして同じものがない、世界に一つだけの
特別な作品です。
植物が生み出す優しい色彩と、学生たちが
丁寧に手をかけた時間が重なり、
温かみのある美しい製品へと
生まれ変わりました。
手間を惜しまず、素材と向き合いながら
完成させた作品には、既製品にはない
手仕事ならではの魅力があります。
学生たちは、自分の手で作り上げた喜びと、
ものづくりの奥深さを実感することができました。










【生地見本】
2日間かけて丁寧に染め上げた生地を、
みんなで切り分けていきます。
一枚の生地の中にも、草木や染め方に
よって生まれた色の表情があり、
学生たちは仕上がりを確かめながら
慎重に作業を進めました。
長い時間をかけて向き合ってきた
生地だからこそ、一つひとつの工程にも
自然と愛着が生まれます。

44種類の染め上がった生地が並ぶと、
そこには自然が生み出した美しい
色彩の世界が広がります。




切り分けた染め生地を、学生たちが
一枚ずつ手に取っていきます。
それぞれの生地の色合いや風合いを
確かめながら、これから自分自身の
見本帳づくりに取り組みます。
見本帳には、草木の種類や染め方によって
生まれたさまざまな色の表情を記録し、
今後の作品制作に活かしていきます。
今回の授業で学んだ染色の知識と経験が、
学生一人ひとりの新たな創作へと
つながっていきます。


これだけ多くの生地見本を一人で
作り上げるには、たくさんの時間と
労力が必要です。
しかし、クラスのみんなが協力し、
それぞれが力を合わせたからこそ、
2日間という限られた時間の中で
完成させることができました。
一人では大変に感じることも、
仲間と協力することで大きな力となり、
より豊かな学びへとつながります。
支え合いながら一つのものを作り上げる
経験は、学校生活ならではの大切な時間です。
こうして、2日間にわたって行われた
小室真以人先生による草木染授業は
無事終了しました。
自然の色の美しさ、手仕事の奥深さ、
そして仲間と協力する大切さを
学ぶことができた、充実した授業となりました。
小室真以人先生、貴重な学びの時間を
本当にありがとうございました。
昨年の草木染授業レポートはこちらから
ご覧ください
https://wibc.jp/news/13625/
11月に草木染のオープンキャンパスを
開催します
是非ご参加ください
https://wibc.jp/event/16184/


