お知らせ

染の小道2019暖簾制作レポートVOL.2

access_time2019年03月24日

2019年2月22日(金)~24日(日)新宿区中井・落合を中心に行われた染色イベント
『染の小道2019』に参加しました。

前回に引き続き制作レポートの第2弾です。
【HUDSON Antiques様/MEMORY】
店舗様に打ち合わせに行った際、店長がロカビリーミュージックが好きなことやイギリスでの買い付けのこと。
イギリスに興味を持ったこと等、とても楽しい話を聞かせてもらいました。
学生から提案されたのは『イギリス+ロカビリーのイメージと店舗に向かう坂道から見える場所にもサブ暖簾を作りたい!』
提案を受けました。自ら制作点数を増やすとは、なんと素晴らしい!!
人は楽な方向につい行きがちですが、そのこだわりと物づくりの姿勢に感銘を受けました。

≪step1 スクリーンプリント版制作≫

を張った版に感光液を塗布します。
とはポリエステル素材のメッシュ生地です。スクリーンプリントにはこのメッシュ生地を使います。
感光液は紫外線で硬化する液体です。この感光液を使ってスクリーンプリントの版を作ります。
この後、必要な作業を行なう事で版が完成します。

≪step2 色の実験≫

の調合を繰り返し、目指すの実験を繰り返します。
はインクの濃度・使う道具・プリントする回数で異なります。
細かいことを言うと同じ色でもプリントする人で変わります。
スクリーンプリントにとって、はとても重要な要素です。
妥協せずに目指すが出来るまで何回も実験を行います。

≪step3 サブ暖簾プリント≫


制作した版と色を使って、生地にプリントします。
スクリーンプリントは色の数だけ、この行為を繰り返していきます。

サブ暖簾の完成です。
イギリスの国旗の一部を使い、店名が入っています。

こちらはメインの暖簾です。ロカビリーミュージックでアンティーク家具や雑貨が踊っているような楽しいデザインになりました。

店長さんゴメンナサイ!!店舗の入り口覆うくらい大きな暖簾になってしまいました(笑)。
当日はこの暖簾に合わせて、店内にロカビリーミュージックを流していただいた上、ギターコーナーまで設置してくださいました。
とても感謝しています。
HUDSON Antiques様のHPはこちら↓
HADSON Antiques

【アトリエA・S・P様/ウェルカム】
アトリエA・S・P様は紙を使った素敵なアクセサリーを制作しています。
打ち合わせに行った際、見せていただいたアクセサリーや作品の数々に好奇心が止まりません。
『このアクセサリーどうやって作るんですか?』『始めたきっかけは何ですか?』学生そっちのけで
私が質問していました。作家の方は作品同様とても素敵な方で、こちらの質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださります。
帰りがけに玄関で靴を履いていたら、文鳥の小物が沢山飾ってあることを学生が気づきました。
文鳥お好きなんですか?』『とても大好きです(笑顔)!!』
学生から提案されたのは作家の方が大好きな文鳥と作品を合わせたものを作りたい!!
通常のプリントオパール加工で暖簾作ります!!との事。
やりましょう!!
≪step1 文鳥のプリント≫

グレーの生地に白い文鳥をプリントします。

目の黒色とクチバシ・足のをプリントします。
この後熱処理をして文鳥のプリントは完成です。
写真を撮っていないので、いきなり出来ていますが ここにくるまでデザイン提案版制作色実験と
様々な工程を経て作っています。
≪step2 オパール生地制作≫

オパール加工とは薬品をプリントすることで、繊維を溶かす技法です。皆さんの身の回りにあるストールやシャツにも使われている技法です。
デザインは作家の方が作った作品を引用させていただきました。
プリント後、プリント部分を乾燥、高熱処理をして水洗いを繰り返すと透け感のあるレースのような生地が出来上がります。

作家の方の作品を通して、文鳥さんが見える暖簾が出来上がりました。
レース調の暖簾は珍しいようで街行く人の目を引いていたようです。
当日はアトリエで作家の方々が制作した小物も展示販売されていてとても素敵な空間でした。
アトリエA・S・P様の素敵なアクセサリーはこちらからご覧いただけます。↓
Creema

【居合道場 武蔵国無外 様/侍】
打ち合わせに伺った際、居合のことや流派のことを色々とお話を伺いました。
その時、門下生の方がいらっしゃり居合の動きと立ち居振る舞いの美しさに
見惚れてしまいました。
学生から提案されたのは、居合の勇ましさや格好よさを表現したい!!
この暖簾はストレートにプリントで表現。
格好いいもの作りましょう。
≪step1 版制作≫

版にするためのデータを修正します。
よく見ると文字の際がガタガタになっているので、修正して美しい字体に仕上げていきます。
≪step2 色の実験≫

白とグレーですが、微妙な色合いを目指します。無彩色ですがプリント回数や乾いた時の見え方で色が
異なります。色はとても重要な要素なので何回も色実験を繰り返します。
≪step3 プリント≫

黒字に白とグレーで勇ましく格好いい暖簾が出来ました。
≪step4 展示≫

当日は居合道場を開放して演武や体験をしていました。圧巻です。根性なしの私が本気で習いたいと思いました。
居合道場 武蔵国無外会の情報はこちら↓
居合道場 武蔵国無外会

【万葉烏梅染しぎや 様/和の美】
打ち合わせに行った際に、烏梅染のことや会社のことをとてもご丁寧に説明伺いました。
この店舗様は烏梅染の他、着物のお直しも営業しています
学生から提案されたのは暖簾を着物風に作りたい!!
縫製大丈夫?色々心配事が沢山ありますが制作に入ります。
≪step1 デザイン≫

柄のデザインを作ります。柄・大きさ・配色を沢山作り、一番いいデザインを選んでいきます。
≪step2 展示≫

いきなり展示です(笑)。実は前日まで制作に追われて写真を撮る暇もありませんでした。
生地のグラデーション染から反応性染料プリント箔プリントと色々な技法が詰まっています。
そこで出来た生地を着物の形に裁断縫製して暖簾の形状にしました。
万葉 烏梅染しぎやのHPはこちら↓
万葉 烏梅染しぎや

【まとめ】
以上で制作した暖簾は全てですが、実はもう1点あります。
その暖簾制作は後日掲載させていただきます。染の小道は本当に素敵なイベントで関わっている方々にお会いできた事や色々な方にお話しを伺えた事。
楽しく素敵な出会いが沢山ありました。

学生達は自分の作品が街行く人達の目に触れること。
自分の作品を紹介する誇らしい気持ち。
自分の作品を購入していただいたこと。
何よりも暖簾制作の大変さと完成した喜び。
色々な感情が沸き起こったことと思います。
この経験をさせていただいた染の小道というイベントや展示させていただいた店舗様、
色々な質問に丁寧にお答えいただいた運営委員会の方々。
作家ブースでお世話になった皆様。
まだまだ感謝してもしきれないくらいの気持ちでいっぱいです。
次年度も是非参加したいと思っているので、新入生の皆様覚悟しておいてください(笑)

テキスタイル学科では、これからも様々なイベントに参加して学校内だけに留まらない
外に飛び出していく授業を行っていきます。
イベントに出た時は、ホームページやFacebookでレポートを掲載していきます。
その際はレポートご覧になっていただくと嬉しいです。

 

【染の小道2019暖簾制作レポートVOL.1】はこちらからご覧ください。

染の小道2019暖簾制作レポートVOL.1

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