2024卒業制作展 レポート
access_time2024年03月05日
デザイン総合学科卒業制作展の
制作から展示までをレポート
いたします。
♢制作風景
9月、10月から制作に入り2月の搬入日まで作品の
制作をしています。
今までは講師から与えられたテーマと技法をもとに
作品制作していましたが、
テーマも技法も自分で考えて、コンセプトを
組み立てます。
コンセプトを考えて、手を動かして実験や試作を
作ります。
そこで、行き詰まったらまたコンセプトを考えます。
走ったり、歩いたり、転んだりしながらもゴールを
目指していく作業です。
見えないゴールを目指すのは、とても困難な
作業ですが自分を信じるしかありません。
学生達は止まらずにひたすら進んでいきます。
♢佐藤美術館
今年も佐藤美術館で卒業制作展を開催させて
いただきます。
♢搬入風景
会場に集合して全員で作品展示します。
展示会のディレクションをしている講師の先生が、
サポートしてくれます。
プロの目から見た厳しい展示方法を優しくアドバイス
してくれます。
先生のアドバイスや友人と相談しながら展示作業を
進めていきます。
展示方法や照明で作品の世界観を伝えて、色味の
美しさを際立たせます。
≪考えて≫≪制作して≫≪展示して≫≪演出して≫
たくさんの工程を経た作品です。
展示することで、作品本体よりも良く見えないと
作品に失礼です。
学生は最高の状態を考えて展示します。
♢作品紹介
展示した作品の紹介をします。
★青の世界
【コンセプト】
「青」という同じテーマで違う作品を
5枚作りました。
染色による直接的な色の違いだけではなく
異なる生地をそれぞれ使うことによって
全く違う「青」に見せて1つの色でも
まだまだたくさんの可能性を
秘めていることを表現しました。
【技法】
スクリーンプリント・抜染・浸染・藍染・吉野織
★空気の色
【コンセプト】
外に出て、空気を吸い込むと懐かしい気持ちに
なったり、昔の記憶が思い出されることがある。
また、それは季節や時間帯・場所によって変化する。
今回、自分が感じた空気に色をつけ、織物で表現を
した。
【技法】
織
この作品は、アップサイクルした素材の活用により、
テキスタイル産業の問題である汚染や廃棄物の削減に
つながる可能性を提案し、同産業の持続可能性を
考え直す方法について考察します。
そこで、テキスタイル生産の過程で生じる廃棄の
生地耳のプラットフォームである
TDAMini Projectから素材提供のご協力のもと、
作品を制作しました。
【技法】
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9847.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9852.jpg)
【コンセプト】
植物は感情があるのだろうか?植物はさまざまな形を
通してさまざまな感情を表し、その感情はすべての
人にさまざまな感情を感知させる。
私は植物の感情を視覚化することで、友禅の技法を
使って感情の森を生み出す
【技法】
友禅染
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9875.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9882.jpg)
【コンセプト】
1度完成した作品が人の手によって形を変える、
私が感じるテキスタイルの魅力を表現しました。
草木染、抜染
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9831.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9840.jpg)
★地蔵仏像
【コンセプト】
日本の伝統技術でタンカを制作します。
伝統的なタンカを絵画という芸術で表現し、
日本の独特な友禅技法を用いて、より特徴的な仏像を
表現します。
【技法】
友禅染
★柴犬登山隊
【コンセプト】
晴れた日にかわいい柴犬のグループが一緒に
ハイキングをしていましたが、彼らはずっと
幸せな気持ちを持っている。
この作品はプリントの作品で、発泡技法を
使用して柴犬をより立体的に、
面白く表現しました。
皆さんにも幸せな気持ちを感じていただければ
幸いです。
【技法】
スクリーンプリント、発泡
【コンセプト】
私は人々が物事に対して感じることと焦点を
合わせる傾向を利用して、この装置を設計・
製作しました。
この装置を通じて人々に生活の中で
当たり前に感じるものを新たに発見し、
それを特別で面白いものとして
感じさせることを目指しています。
【技法】
エキポシ樹脂加工
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9818.jpg)
【コンセプト】
幹のうねりが様々な表情をもたらす藤をモチーフに
しました。
樹齢数百年の年月が創り出す造形は、時代を傍観して
きた苦悩や悟りを感じさせます。
そして降りそそぐように花を咲かせ幻想の世界に
誘い込むのです。
【技法】
友禅染
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9798.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_9803.jpg)
♢学生プレゼンテーション
今年は会場で学生が作品について語る
プレゼンテーションを行いました。
テキスタイルデザインコース講師の先生から作品と
展示についてのアドバイスと改善点が伝えられます。
作品に対してかなり厳しい意見
(主に私ですが、、、)とアドバイスもあります
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_0438.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_0453.jpg)
![](https://wibc.jp/apps/wp-content/uploads/2024/03/DSC_0466.jpg)
毎回来ていただいている方等々、
今年もたくさんの方々が会場に来てくれました。
この場を借りて御礼申し上げます。
学生たちは、この後卒業式を迎えテキスタイル企業に
就職する学生、進学する学生等それぞれの道に進んで
いきます。
とても寂しい気持ちもありますが、これから次の
ステージに旅立っていく学生を前にそんなことも
言ってられません。
私も気持ちを切り替えて4月からの新入生に向けて
全力で取り組んでいかないといけません。
そして学生が卒業した後に何より嬉しいのは
卒業後学校に遊びに来てくれることです。
立派な社会人になって「先生これ知ってる?」なんて
私が知らなかったテキスタイルの話を自信満々で
話してくれたり、
「今度の展示会に自分のデザインが展示されます」
なんて仕事関連の話から「彼氏が出来た!」とか
今度は「彼氏と別れた!!」とかプライベートの
話でも何でも学校に来てくれることは
とても嬉しいことです。
卒業生が学校に来たらいつでも暖かく出迎えられて、
自分たちがいた時より更に活気のある学校にするべく
今後も早稲田の教員一同頑張っていきます。
卒業生に負けるもんか!!
ください。