「注染体験」レポート
access_time2024年11月13日
2024年10月から11月の3回に分けて
体験した注染のレポートです
今年度から始まった注染体験の授業を
レポートします
注染とは手ぬぐいを染める技法です
明治時代から始まった日本独自の
技法で専用の設備を必要とします
完成した生地は表裏がしっかり染まり、
多数の手ぬぐいを作ることが出来ます
★体験場所
手ぬぐいブランドの「にじゆら」様で体験させて
いただきました
台東区に2k540という施設があります
ここはJR線の高架下を利用した施設で、物創りの店舗が
集まり販売やワークショップを行っている、
とても活気のある施設です
この施設の一角に「にじゆら」様の店舗があります
ちなみに東京駅から2km540mの箇所にあるため、
2k540という名称になったそうです
ここの施設は水曜日が定休日です
この曜日を利用して注染体験を
させていただきました
休みの日に施設に入ると、何だか
ワクワクしますね
表口から入れないので、裏口から入ります
ガラス張りのショップから注染の道具が見えます
体験中に通りがかりの人達が、興味深そうに
見ていきます
★にじゆら店内
とても綺麗なショップで、手ぬぐいや
製品が美しく陳列されています
卒業制作を控えた学生は展示方法にも
注視しています
★注染道具
注染には様々な道具を使います
・「ドヒン」
「ドヒン」は染料が入っている道具です
これを使う職人さんのことを「壺人(つぼんど)」と
呼ぶそうです
壺とかヤカンとも呼ぶそうです
・「木へら」
生地に糊を置いていく道具です
使い込まれた木へらは、持ち手部分が
職人さんの手の形に変形しています
糊置きの板場職人さんが使う道具です
・「土手をつくる道具」
名前を聞き忘れました
ケーキをデコレーションするようなイメージで
生地に土手をつくるための道具です
・「コンプレッサー」
染料を注いだ後に吸引して染める道具です
ワークショップ用に考えて作ったそうです
凄いですね
これまでに色々な職人さんに会ってきましたが
皆さんアイディアマンで何でも作ってしまう
スーパーマン揃いでした
★柄を選ぶ
にじゆら様が用意してくれた柄の中から
今回、体験する柄を選びます
青海波、豆絞り、カラーチップ、パンダ、
ロンド、道具など様々な柄の中から選びます
「これにしようかな~」とか「やっぱりこっち」とか
皆真剣な表情で選びます
★ガイダンス
体験前に手ぬぐいの歴史や、作業工程の
レクチャーを受けます
にじゆら様が作った美しい映像と
軽快なトークで、わかりやすく
説明してくれます
★模擬演習
学生が始める前に、にじゆら様の職人さんが
お手本を見せてくれます
職人さんが軽やかな手つきで作業しています
見ているととても簡単そうに見えるのですが、、、
★糊置き
生地に木ヘラを使って糊を置いていきます
生地に糊を置く→生地を畳む→生地に糊を置く
この作業を繰り返して生地をジャバラ状に
畳みます
この作業で使う糊は海藻と砂で出来ているそうです
工房の中に海の匂いが拡がります
★糊置き(土手の作成)
生地に染料を注ぐための土手を作ります
この土手の作り方で、色が混色したり
色をぼかしたりといった表現できます
★色を注ぎます
ドヒンを使って、色を注いでいきます
色を注ぐ→コンプレッサーで色を吸い込む
この作業を繰り返していきます
★完成
生地を水洗いしたら完成です
ここまでに所要時間が2時間程度でした
皆オリジナルの手ぬぐいに、とても嬉しそうです
すぐに使ってほしいですね
今回、注染体験したことで街中や店舗で手ぬぐいを
見る目が変わると思います
どんな製品にも物を創る人たちがいて、
様々な工程を得て完成しています
この工程を知っているのと、知らないとでは
物を見る目がまったく違います
それはデザインをする上でも、まったく違うと
考えています
近い将来、テキスタイルデザインコースの学生達が
手ぬぐいのデザインを依頼されたら、今日のことを
思い出してほしいです
今回店舗がお休みの中、手ぬぐい体験を
開催していただいた
にじゆら様に感謝申し上げます
とても楽しく素敵なワークショップですので、
このレポートを見てくれた方達にも
体験することをお勧めします
東京はここの店舗だけでなく日本橋でも
ワークショップを開催しているそうです
以上、現場からのレポートでした。